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ザ・フォーリナー/復讐者のn0701のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フォーリナー/復讐者(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

全然期待していなかったからかめちゃくちゃ高評価だ。

話はよくありがちな「娘を殺された父の復讐」だ。大抵、すごく強いのでシンプルに敵の親玉を倒しておしまいだ。

とにかく話はカオスだ。

イギリスの副首相であり北アイルランド合併時の併合派でありながら過激派でもあったテロリストの男は、沈静化した過激派組織のボスに行動を起こすように伝える。

その組織のボスは部下に爆破事件を起こさせる。男4人、女1人の若手のテロリストは計画的に、しかし無差別にテロを起こして無関係な男女を殺害した。

その事故に巻き込まれたのが、ジャッキーの娘であった。

事件の解明に際し、テロに使われた爆発物がかつて副首相が所在していた組織の爆弾であることが判明し、警察庁等は副首相に対して、かつての仲間が事件を起こしていないか探りを入れる。

副首相は自分の甥の釈放を含めた恩赦を条件に、かつてのテロ組織の残党に情報を引き出すよう買ってでる。

副首相の狙いは恩赦と政治だ。

さて、ジャッキーはかつては米軍の特殊部隊に所属し、色々あって移民としてイギリスに渡り料理人をする。彼の家族は妻と娘3人だった。うち2人は海賊に襲われ殺される。妻も最後の子どもを産んだときに死んでしまった。彼には娘しかいなかった。

ジャッキーは「アブナイ中国人の老人」として、事件を嗅ぎ回る。警察に何度も訪れては事件の進捗と犯人の名前を聞く。自らもパソコンで調べ、その結果、副首相と事件の関係に気がつく。そして、副首相の元を訪れ単刀直入に聞く。犯人の名前は?と。

もちろん犯人までは知らない副首相は正直に知らないと答える。だが、ジャッキーは、副首相とテロリストとの関係を確信している。そして自らがテロリストとして副首相から情報を聞き出すことにする。

つまり、トイレに簡易的な時限爆弾を仕掛け、護衛の乗る車にも同様に簡易的な爆発物を仕掛けた。

森の生い茂る別荘に逃げ込む副首相だが、ジャッキーは米特殊部隊でベトコンとやりあった人物であり、ブービートラップとゲリラ的な戦闘に熟知していた。

ここでジャッキーは「アブナイ中国人の老人」から「極めてアブナイ中国人」に姿を変える。

物語は複雑だ。

副首相には愛人がいる。
愛人は副首相だけでなく、テロを指示した組織のボスとも繋がっていた。そして、愛人はテロリストそのものだった。

副首相の妻はニューヨークにいる甥っ子と密通しており、妻はテロを指示した組織のボスとも繋がっていた。

情報戦をする中で副首相は極めて重要な情報を甥っ子にしていた。電話でコードネームを言うと。そしてそのコードネームから犯人が判明する手筈になっていたのだ。

甥っ子は副首相の妻にベッドの中でその話をしてしまう。そして、副首相の妻はその情報をテロ組織のボスに漏らす。

ジャッキーは副首相の甥っ子との壮絶な肉弾戦を制し、テロリストたちの名前を聞き出す。そして彼を解放する。

ジャッキーはテロリストを包囲する特殊部隊より早く彼らのアジトに潜入し、副首相の愛人以外の全ての男たちを殺害する。そして、取り残された副首相の愛人は特殊部隊の拷問に耐えきれず次の計画を漏らす。

飛行機の爆発だ。それもパソコンに備え付けられ、X線も通り越す高性能な小型爆弾で、持ち主さえも(副首相の愛人の手にかかり)分からないまま機内に持ち込むところだった。

副首相はジャッキーの手によって制裁を受ける。自らテロリストの一員であり、愛人でもある女と愛人関係にあり、その証拠写真をネットにあげたのだ。(なお、副首相の妻は暗殺者に殺される。)

ジャッキーは自分の店に戻る。
彼はテロで何もかも失い、そして自ら復讐し、日常に戻る。傷だらけになりながら。
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