肝心の怪獣の造形に魅力がない(マグマ大使やウルトラマンタロウあたりに出てきそうな俗な造り)ため、可愛さはあるものの今一つ魅力を感じないまま鑑賞してしまった。やはり怪獣映画は怪獣がスターなんだからもう少し気を遣ってほしかった。
合成したミニチュアのビルや道路と人間の大きさが合ってなかったり、怪獣が火を吹くとき火炎放射器が丸見えだったりする点といい不馴れな特撮に手探りで奮闘する韓国スタッフの努力は垣間見れるものの、それが結果として結び付いていないのが残念。ビルや建物の破壊シーンが少ないのもやや不満、東宝特撮に匹敵する逃げる群衆の大群には圧倒されたけど。
お話のほうは子供が前に出すぎているし話のアラが目立つところはあるが、あくまで人類対怪獣メインで話を絞って描いているので見やすいし登場人物も変に多く出していないのでシンプルに見ていられるのが○。あと子供が活躍するところといい、随所にアダルトタッチな描きかたがされたりと怪獣の造形を手掛けた大映怪獣映画の影響を強く受けているので妙な親近感を抱いてしまう。
大怪獣というタイトルに似つかわしくない、ヨンガリの間抜けな死にっぷりがディープな余韻を残していく。
ちなみに私が鑑賞したのは英語版のため、登場するのはみな韓国人なのに英語をペラペラで会話するという日本の特撮の海外版を見ているような不思議な味わいがにじみ出てくる。