一度は見るべき作品だとは思う。
1967年のデトロイト暴動を描いた本作。56年前といえばそれはけして「歴史のお話」ではなく現在に続く私達の物語だ。
現在もBLM運動が根強い"America"の問題はメディアはなんであれ幅広く学ぶべきで、それは我々アジア人の差別問題へも繋がっていく。
本作はそういった意味で「見るべき作品」ではあるのだけれど、やはりそこは映画、エンターテインメントとしてもうまく料理してほしかった。
キャストは素晴らしく演技力も見事。特にクラウス演じるウィル・ポールターはもはや「そういう主義の人」にしか見えない迫真の演技を見せる。極度の緊張下における歪んだ正義感や内包する幼さなども垣間見える最高の人選と言って良い。(ミッドサマー出てたっけ?)
しかし事件から裁判への移行がどうしても場面展開感を強く感じさせる作りで、よっこいしょと一息ついてしまうもどかしさがある。当時の裁判制度の問題も描きたかったのだろうけど、裁判劇そのものは不要だったのではあるまいか。
人間が一番恐ろしいとはよく言ったもので、僕たちは過去に、現在に学ばねばならない。オススメです。