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デトロイトのrollinのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.2
ひとりのアホな白人に権力を与えるとこうなるよ!というのが今この映画を撮った理由のひとつかもね。そして権力はそれを擁立する多数の支持者の存在があってこそ。

モータウン・サウンドが流れる戦争映画というコンセプトはものすごい新鮮やったし、大画面での手持ちブレブレ撮影は酔いそうやったけど、慣れてしまえば圧倒的に1967年のデトロイトにのめり込んでいました。

国家権力を得たレイシストはファシストに他ならへんし、なんちゃって家族のあの童貞野郎が言う「市民を失望させてはいけない!」の市民の中には、当然黒人は含まれていないのでやんす。ブリムストーンのガイ・ピアーズに続いて早くもこんな最高のクズキャラを出しちゃって大丈夫か2018年よう?
ただ彼の演技はめちゃくちゃ良かった!ゲームオブスローンズのジリのおっとりした雰囲気も時代に合ってたし、フィンはSWとキャラがブレてなかったけど思いのほか空気。

物語のヤマ場となるモーテルでのシーンはもちろん緊迫感あって良かったんやけども、流石に色んなことが裏目裏目に出る展開の繰り返しは脚色しすぎな感が否めまへん。

ヒッピー、コルトレーン、フォード、キャデラック。まだストリートとカルチャーが分断されていた時代。ラリーかドラマティックスのメンバーの誰かがミュージシャンという理由で暴動に参加するのを拒んでいたのが印象的。ラリーの身の振り方についてはそうならざるを得ないものがあったやろうし、音楽や芸術が肌の色や争いを超越するとは簡単には言えないなぁ。
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