ゆず

デトロイトのゆずのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
3.9
言い訳できないほどの現実感。

1967年のデトロイト暴動の最中に起きたアルジェ・モーテル事件の映画化。
白人警官による黒人向け酒場の摘発から暴動のきっかけが始まるが、「裏口が使えなかった」程度のつまずきが州軍が派遣されるほどの大きな問題になってしまったのがすごく興味深い。
たった一個の投石からすべてが始まった…みたいな感じである。

アルジェ・モーテル事件も、「ちょっとした悪戯のつもり」が最悪の事態を招いてしまう。
存在しない銃を根拠にした捜査という名の暴挙。
人種差別の愚かさを暴いた作品であり、同時に権力の暴走を描いた作品でもある。
それらが身も蓋もないほど開けっぴろげに描かれていて、もはや言い訳のしようもない感じだ。

ウィル・ポールターの性格悪そうだけど頭は悪そうな(失礼;)感じが唯一無二だった。「リトル・ランボーズ」からたまに見てるけど本当に悪役(というかクズの役)やらせた時のハマりっぷりはすごいよね。
しかもどこかまだ「悪童」という感じを少し残してるんだよね。
本作は悪童なんてかわいいものではなかったけれど…。



2/7 デトロイト 字幕 @フォーラム仙台
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