このレビューはネタバレを含みます
主人公のイライザが
朝食の支度してると思って見ていたら
家を出ると実は夜、ていうオープニングが
最高。
住まいの階下は映画館。
オーナーはチケットくれるいい人。
ジャイルズと見においで、の
ジャイルズ。彼も最高で。
絵の仕事やんわり断られてるのに
会社に戻りたいって言ってみたり
ゼリーの色グリーンにしたよって
描き直してアポなしで持参したり
不器用すぎて泣ける。
偽の身分証作っても詰めが甘くて…
片思い玉砕に至っては
相手が何のためらいなく差別する人間だと
分かった失望が乗っかってきてもう、
かわいそうさ倍増。
ジャイルズとイライザ、
一緒にテレビ見ながらタップ踏んだり
優しい時間を過ごしてる。
ゼルダの夫は
さんざん愚痴聞いてきてハードルは
十分下がってるんだけど
いざという時は妻を守って
怪しい男をボコボコに…
いや、ですよねー期待してなかったよ。
無理もないですけどね。
何せ相手はストリックランドさんですよ。
サムソンとデリラの話が大好き。
トイレでは用を足す前に手を洗う。
喋らない女に欲情する。
喋らない女に手話で罵られる。
男の口（とその横の穴）に
指突っ込んで引きずる。
「ポジティブシンキング」って本読んでる。
彼もまた最高。多面的で嫌いになれない。
いずれの場面も幻想的だけど
バスルームに水を満たすあのシーンは
さらにほぅ…と目を見張った。
水漏れ被害にも
お小言で済ませてくれたっぽいオーナー、
ほんまのいい人よね。
その時の二人の美しさを描いたジャイルズ、
再び最高。
人物がみんな魅力的過ぎ。
ただイライザが何で
水槽の中の彼を気にし始めたのかは
分からんかったんですよね。
虐待されてるのを目撃して同情から…でも
なかったんですよ、確か。
それより先に、もう卵持って行ってたもんな。
異形の生き物がいる
↓
横に座って一緒にランチ
までが急だったですよね。
何故その相手（今回特に怪物）と
恋に落ちたかのプロセスで
その人の人生が浮き彫りになる感じ、
見てみたかったです。
お風呂での日課、その時イライザの頭の中は
どんな…まで分かるような。
最後、オープニングでイライザが
プリンセスと称されていたことを
思い出した。
いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
正しいおとぎ話の終わり方でした。
