SAVE

シェイプ・オブ・ウォーターのSAVEのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

2回目を鑑賞してようやくレビュー。大好きです、この映画。

大筋はかなりオーソドックスな御伽噺。人目見て「彼」に惹かれたヒロインは、ピンチの彼を救い、その結果、最後は自分が倒れるも、彼のキスで息を吹き返す。人魚姫をメインに、よくあるプリンセスストーリーほぼそのまま。

でもその「大衆に愛された御伽噺」を、クリーチャーと中年女性を主役にすげ替えて、決して「万人受けはしない」物語にアレンジしたのが流石のギレルモ・デル・トロ監督!褒めてます!

クリーチャーの描き方がね、元人間、とか人間味がある、とか全然なく。本当にただの獣。ペットの猫の頭部をばりばり食べたりしちゃう。こいつを愛せるかどうか?そこが万人受けはしないと感じる理由。
でもな〜そこが良いんですよ。ギレルモ・デル・トロ監督は根っからのクリーチャーオタクで、今作の魚人のデザインに3年かけたり、自分の納得のいく映画に仕上げたいがために制作費の半分を出したりしているらしく。
だから、クリーチャーオタクが自分の趣味全開で作った映画なわけで。勿論、大衆へのメッセージ性も含めてはいるのでしょうが、なんてったって「アンチ美女と野獣」ですから。個人的な主張を全力でした映画ですよ。

でもそんな映画がアカデミー賞作品賞を受賞して、沢山の人がいま、この映画の為に劇場に足を向けている。これって本当に凄いことだと思う。
良いと言われる作品は、万人受けするよう計算されて作られている。でも、この映画はそうじゃない。
本当に楽しく、納得いくまで作りこんだ、監督自身の為の映画なのだ。

ギレルモ・デル・トロ監督、アカデミー賞作品賞受賞、本当におめでとうございます。
これぞ、オタクの大勝利
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