明けまして。新年一発目というわけではないけど、年明けて観た映画で1番心に響いた。今年もこんな調子でホラー映画を観て行けたらいいな。
タイ・ウェスト監督作『X エックス』シリーズ三部作の第2作目。時系列としては『X エックス』の舞台の60年前、1918年。あの狂気の性欲爆発婆さんこと、パールの若かりし日々の物語。
ミア・ゴスが凄かった。前作でも、若い女優マキシーン役と殺人鬼老婆のパール役の二役の演じ分けで話題にはなっていたが、今作のだんだんと壊れていくパールの演技は凄まじかった。
特に、物語終盤のパールの独白シーン。
そう、抑圧され続けた感情が爆発するときの話し方ってこうなるよね、溢れ出る感情をどう言葉にするか迷いながら話す感じ…。私個人の経験では半年の抑圧でこんなふうになってたから、産まれてからずっと抑圧されてきたパールの息苦しさは相当なものだったろう。ミア・ゴスの演技力で具現化されたパールは、殺人鬼だが、観ているこちらも苦しくなるくらいに共感してしまうほどリアルな人間だった。
エンドロールのスマイルに関しては、少しやりすぎだったようにも思うけれど…笑
『X エックス』は正直なところ、あまり好きな映画ではなかったので今作もあまり期待していなかったのだけれど、良い意味で期待を大きく裏切ってくれた。三部作最後の作品は劇場で観ようと思う。
