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アメリカン・アサシンのKUBOのレビュー・感想・評価

アメリカン・アサシン(2017年製作の映画)
3.6
「アメリカが正義だと信じていた」

6月1本目の試写会は「アメリカン・アサシン」。

テロで恋人を殺された恨みから、いつか仇を討つために格闘技を身につけCIA諜報員となった男物語ミッチの物語。

主人公ミッチに「メイズ・ランナー」(明日見る(^^))のディラン・オブライエン。ミッチの教官役に完全復活したマイケル・キートン。

このマイケル・キートン演じるハーリーがいい。非情な鬼教官、かつ、テロリストのボスとの因縁など、主人公以上にストーリーの核となる。

イスラム系テロ集団、ロシアから流出した核物質など、今っぽいキーワード満載。主人公のミッチはジェイソン・ボーンばりの無敵のアクション! 普通に、いや、かなりおもしろい。

ただ、この手の物語でイスラム系テロリストが十把一絡げで「純粋悪」として描かれちゃうのは薄っぺらいお約束。むか〜しの西部劇でネイティブアメリカンであるインディアンを撃ち殺すジョン・ウェインに疑問を持たなければ楽しめる、というのと同じだ。

ただ、レヴュー冒頭にあげた「アメリカが正義だと信じていた」という台詞に、若干なりとも製作陣の矜持も感じた。

核爆弾をめぐる大事件の果てに、作品最後でイラン大統領の言う台詞は、奇しくもトランプが「イラン核合意」からの離脱を発表した後に実際のイラン大統領が言った声明に酷似している。映画を作っている間に、トランプの一言で核爆発と同じだけのインパクトをイランに与えてるのだから、事実は小説よりも奇なりと言うか、何をか言わんや、だ。

原作小説は全13巻ということだから、これがヒットすればシリーズ化は必至。スパイアクションものがお好きな方にはオススメです。
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