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機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星のMoDのレビュー・感想・評価

3.7
最初のマゼランやスタッフロール時のジオン旗とか、全体的にCGがのっぺりしていて安い作り物感が凄かった。ところどころ良いのに、突然変な感じにクオリティ下がるから目に付く感じ。時間足りなかったのか、技術力落ちてんじゃないの?と心配になった。

前作のタイトルなのに全く映されなかったルウム戦役の艦隊戦は規模がでか過ぎて戦艦一隻一隻がゴミのよう。リアリティはあるんだろうけど迫力はイマイチ。
シャアの戦艦5隻撃破、黒三のレビル拿捕以外やらなきゃいけないことが特にないから、自由な戦略が描かれていたのは良かった。最新兵器として描かれるザクは物凄く機動力があって、オーバースペックに見えなくもない。出力3割増だったはずのシャアザクはリアル3倍の速度になってしまっていて完全にオーバースペックというか、デブリ蹴って加速してるみたいなインターネット仮説が死んでて笑った。完全にトールギスでしょ。
セイバーフィッシュは蹴っ飛ばされて撃墜されるところが、ゴミ兵器感出ていて○。
リアルのイージス艦ってミサイル防御のために自動照準の砲と凄まじい連射力の対空機関銃を装備してるんだけど、MSが接近してきて焦って連射力の低い対空防御を張るマゼランを見て、そもそも仮想敵もいない圧倒的な規模の連邦軍は、この戦艦を何のために作ったんだろうと疑問に思った。というか、連邦の圧倒的支配力に対して必要以上に軍事力があること自体謎すぎる。最近のガンダムは後付け設定の鬼と化してるからその辺も一つ、何とか、よしなに。

圧倒的に兵器っぽくアレンジされたザク・マゼラン・ムサイらに比べて、ザビ家が在わすズムシティの本拠地デザインがロボアニメの敵基地っぽ過ぎて完全に浮いてた。あとオルテガの顔デザインもどうしようもないよね。

V作戦はレビル帰還後に連邦高官の反対を押し切ってレビルがゴリ押す形で発動、その時にガンタンク・ガンキャノン・ガンダムが作られるって話なんだけど、帰還前からドズルがV作戦をキャッチしてるからその辺の整合性は完全に捨てたみたい。というか、そもそもタンクは10年くらい前に作られてる設定だし、キャノンも既に登場済でそもそもV作戦の設定には喧嘩売る気満々だったのがこのシリーズですね。今度始まるNTのナラティブガンダムもそうだけど、初期型とかプロトタイプとか言えば何しても良いみたいな風潮は全く気にくわない。

エルランとゴップの無能二人がしたたかに描かれるの笑っちゃうからやめてほしい。マクベは逆に強キャラっぽくてよかった。最後のWB組の紹介はバンドオブブラザースのラストみたいでカッコいい演出だった反面、多分視聴者の99%が知ってると思うしあんなに長々とやらなくても良かったと思う。
最近のガンダム中編映画によくある感じで、最後の曲はストーリーの雰囲気に全く合っていない。哀・戦士みたいなのをきちんと精査して一つの映画として完璧なものにするべきだと思う。総じてみると、映像技術とガンダムという名作にあぐらをかいてしまった大したことない映像作品だなと感じた。
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