福島出身廣木隆一監督の東日本大震災を題材に
した自身の小説を映画化した【ヒューマン・
ドラマ】。
東日本大震災から5年、金沢みゆき(瀧内公美)
は震災で母を亡くし父、修(光石研)と仮設住宅で
2人暮らし、市役所で働きながら週末は渋谷に通い
デリヘルの仕事もしていた…。
本作で今の福島県が本当にリアルに描かれている
のかは分からないが、これはリアルなんだと思って
観た。みゆきが行き来する東京との対比は明らかだ。
何故デリヘルなのかは明かされず不明が、農場を
失くし補償金で毎日パチンコして職探ししない父、
荒んだ生活、未来が不透明な憤り、そのやりきれ
ない気持ちから彼女は【現実逃避】 の為だったのだ
ろうか⁈。自己中の元彼、山本(篠原篤)にホテル
でカミングアウトする切ないシーンで負い目を感じ
ているのが分かる。
特に派手な展開があるわけでは無く物語は淡々と
しているが、そこに【リアリティ】を感じた。
必要なシーンではヌードも厭わず【色んな表情】を
みせてくれた女優、瀧内公美が素晴らしかった。
光石研もハマリ役だ。
デリヘルで出会った運転手とボディガードをして
いる三浦(高良健吾)との出会いでみゆきにほんの
僅かながら光が射したかに見える静かなラスト
シーンが素晴らしい。
観終わるとタイトルもしっくりくる。