シネフィルmonk

ろくでなしのシネフィルmonkのレビュー・感想・評価

ろくでなし(1934年製作の映画)
3.1
放蕩三昧の医者の息子アンリは親からの援助が絶たれたことから車の窃盗団に入り、メンバーの一人の姉と恋に落ちる。しかし、やがて警察と窃盗団仲間から追われる羽目に…。

ナチス・ヒトラーのドイツからハリウッドに逃れるまで、フランス・パリで亡命していた頃のワイルダーの監督(共同監督あり)デビュー作。ワイルダーらしいコメディ色はほとんどなく、一見しても彼の作品とは思えない。

ただ、映画のほぼすべてはあるガレージ内とパリの実際の路上で撮影され、ヌーヴェル・ヴァーグの先駆的存在なのが、ワイルダーらしいと言えるかも。

のちにフランスを代表する大女優となるダニエル・ダリューが17才でヒロイン役に出てます。ゴダールの『勝手にしやがれ』、アメリカン・ニューシネマの『俺たちに明日はない』風のストーリーです。ブロードウェイから出た「珠玉のフランス映画名作選」DVDより。「ビリー・ワイルダー自作自伝」では、『悪い種子』の邦題で紹介されてます。
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