ルイまる子

ボヘミアン・ラプソディのルイまる子のレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
3.6
クイーン世代、元ロック少女。だからこの映画は当然見ると決めていました!良かった!最後の20分は特に圧巻!それ以外の部分は。。。誰かが言ってたけどクリント・イーストウッドの名作、「ジャージーボーイ」(クイーンより更に前に大ヒットしたバンド「フォーシーズン」を描いた)レベルお願いしたかった。ゲイなのかどうか、フレディの荒れた生活とメンバーとの隔たりなどが中心だったが、苦悩が伝わり切れず、フレディのただの不安定な日常描写に終わってしまった。実話を元にした映画というのは決まりきった解釈をすると故人へ失礼にあたる、ファンから批判が来るなどの理由から距離を取ろうとするあまり何かコアな部分が抜け落ちるから映画としては心情が伝わらない。しかし最後のコンサートシーンは圧巻。心揺さぶられ感涙でエンドロールを見ることになる!

思えばクイーンIIは名アルバムだったのに、今振り返ると少し異質なロックバンド、難しいと言われ確かに人々には当初受け入れ難かった。あとメンバー全員作曲するからだろうけど余りに曲調が多様で一つの路線でもなかったかも(私はフレディの曲がモチ好きでしたが!)グラムロックの流れを受け知的で気品ありだったが、当時ロックファンに伝わりにくかった。私もこのアルバム持っていたが他のピンク・フロイドやらレッド・ゼッペリンほど擦り切れるほど聴き込んでいなかった。私はあの音質が凄まじく変化する「ボヘミアン・ラプソディ」で頭をやられ熱狂したが勿論世界中が魅了された。6分のこのクレイジーな曲は当初長すぎてラジオで流してもらえないとレコード会社社長から断られ結局この名曲が理解出来ない会社とは手を切ると自ら別会社に鞍替えし成功した経緯がある。時代の先を行き過ぎた最高品質は普通の人間には理解不能で拒否される良い例だった。フレディマーキュリー演じた俳優は少々小柄すぎたのでは(上半身が短か過ぎる)と思ったがまぁ良く演じていた。他の俳優達は皆全く本人達そのものでびっくり!

80年代中頃?エイズが流行りゲイだったロックハドソンが死去、ゲイが悪の根源とされていた時代がある。ある日新聞の一面に「Queen is AIDS」と載った日を覚えている(当時シンガポールに住んでいたので英語)。いやいやそれ以前からアルパチーノの「クルージング」というハードゲイ映画が話題を集め(1980年?)ピレッジピープルというバンドがマッチョマンとかYMCA等、明るいハードゲイロック路線で人気を博していた流れもあり、今まで私達が愛してやまなかったフレディが(彼を男としてね)どんどん過激なファッションでボクはゲイですよ!と言ってるだろお前!と突っ込みたくなるほどあからさまだったので当然皆彼がゲイと知ってはいましたが(ツアーのときブライアンやロジャーはなるべく別の部屋で寝るようにしてるらしいよ、なんて今では差別と怒られる話を日常的にしてましたが。。)で、カミングアウトと伴にエイズだと告白。

フレディ今の時代まで生きていられれば良かった!現代ではゲイは当たり前になったよ!それに少数民族も、ペルシャ系であることに誇りを持っていい!それにマーキュリーなんて改名しなくとも堂々とパルサラと名乗り自分のアイデンティティをしっかりくっきり見せても受け入れられる時代になった!

才能の塊とは彼のことをいうんでしょう。フレディの映画が見れて幸せでした!
ルイまる子

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