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ボヘミアン・ラプソディのHallyのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.4
ラスト21分。私は映画館にいなかった。私は、間違いなく"あの"場所にいた。"あの"空間に…。夢心地。

YouTube で繰り返し見てきたQueenのライブエイドでのパフォーマンス。ロックファンの中では伝説として語り継がれる"あの"ライブ。あそこに参加できる日が来るなんて平成生まれの私には夢にも思えなかった。もう意味が分からない。でも確実にあそこにいた。もうあの時間は映画を超えた何かになってた。この体験は経験になるよ。

私のQueenとの出会いはキムタク主演のドラマ『プライド』だろう。多分。カップヌードルのCMとかで使われてたのも覚えてる。聴いたことある洋楽の"人"だった。でもそれは小学生高学年、中学生で洋楽にハマり、80'sを聴くようになり変わる。"アーティスト"になった。それこそライブエイドのパフォーマンスを何度もYouTube で見返してきた。そんな自分からしたら夢心地。映画を観る気力が失せてしまうぐらい今 辛く、悩みが尽きない。そんな時に若干無理して見に行ったけど正解だった。

勿論、あの時間は徹底された再現率の高さ、完璧な音楽。そこに映画館という環境、条件があの感覚を生み出すわけだけどそれだけじゃない。そこまでの構成、過程の完成度も高く、フレディという人物をしっかり描けているからあの感覚が生まれてる。ラスト21分=この映画の評価に繋がりがち、評価する感覚になってしまうけど(それ程までにあの21分が凄いのも事実だけど…)違うよね。音楽を演奏する事の喜び。音楽を作り出す、生まれるあの感覚。マイノリティーとしての苦しみ、スターとしての苦しみ。そして自分の死と向き合うこと。全てが上手く描かれてるからあの時間が生まれる。

"自分が何者なのかは、自分で決める"

他人の評価ばかり気にしてしまう私には重い言葉だ…。
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