TAK44マグナム

ランペイジ 巨獣大乱闘のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)
4.4
つよい!
こわい!
たのしい!
かいじゅうえいががやってきた!


昔のビデオゲームを題材としたモンスターパニック映画。
怪獣がビルをひたすらぶち壊し、怪獣同士でプロレスをする大味なDNAを正しく引き継いでいて、頼もしい脳筋怪獣映画となっており非常に嬉しく思いました。
こういうの本当にアメリカさんはお好きねえ。
当然、マグナムも好きだぞ!
(真面目な話、中国でこういうのが当たっているから、今更なゲームを原作に引っ張ってきて作ったというのが本当のところでしょうなぁ・・・)

主演はドウェイン・ジョンソン。
言わずと知れた脳筋マッスル番長さんでごわす。
さっき腹を撃たれて倒れていたのに、数分後には涼しい顔してピンピンしているという、ウルヴァリンもびっくりな不死身っぷり!
こいつも巨獣化ウィルスに侵されてんじゃないのか(汗)

共演は、女性科学者役がナオミ・ハリス。
あと、政府の秘密機関からやってきたオッサン役で、あの「ウォーキング・デッド」をマグナムが観るのを中断させた最恐の男ニーガン役!
ジェフリー・ディーン・モーガンが出ています。
なんかニーガン出てきてから暗さが増し増しになって、観るのがしんどくなっちゃったんだよね。
本作では、けっこうお茶目な良い役ですよ。


お話は信じられないぐらい、いい加減でテキトーこいてます。
悪い姉弟が経営する会社が開発した巨獣化ウィルス。
その実験をしていた宇宙ステーションは凶暴化したネズミによって破壊され、3つのサンプルが地球に落下、都合よく野生動物の近くにジャストミート!
元海兵隊特殊部隊隊員で現在は動物学者をしているデイビス(ロック様)が可愛がっているアルビノゴリラのジョージ、野生のオオカミ、そしてワニがウィルスに感染してしまいます。
はてしなく巨大化、凶暴化する3体の動物たちは、やがてシカゴの街を目指して進撃を開始!
アメリカが誇る戦力をもってしても、一体も止められず。
万策尽きたかと思いきや、まだ人類には最終手段が残されていました・・・!
そう、全人類最終兵器であるドウェイン・ジョンソンが・・!!


もうね、お話は穴だらけ!
御都合主義が幅を利かせていて、例えば、そこらじゅうが破壊され尽くされている中、戦闘ヘリが無事な状態で置いてあったりするわけです。
「ほら、ボクをお使いなさい〜」などとヘリが機関車トーマスみたいに喋ってもおかしくない不自然さバリバリの放置プレイ!

しか〜し!
ドウェイン・ジョンソンが主役の怪獣映画っていうだけで何もかも許されてしまうのです!
彼が、100メートルぐらいあるワニゴン(アンギラスっぽい)をパンチ一発で吹き飛ばしたとしても(さすがにそんなシーンは無いですが)、「ああ、当たりどころ次第ではそれもアリだなぁ」と、まったく不思議に思わないであろう自信があります!
ドウェイン・ジョンソンの前では、セオリーなど何の意味もなさないゴミクズなのでした。
映画の文法などクソ喰らえ!
面白ければ良いのだぁぁぁ!


ド派手にシカゴの街をデストロイしまくるゴリラ🦍とオオカミ🐺とワニ🐊!
お猿さんと犬とキジじゃないからして、きびだんごじゃ飼いならせなさそう。
なら、何を使えば良いというのか・・・って、アレだ!
そう、ウィルスを止める解毒剤があるらしいってんで悪い会社に侵入、ここも大雑把なスパイ映画みたい。
ワルの姉弟のキャラ立ちが薄いので、さっぱり盛り上がらない人間パートはチャッチャとしまって、3匹の巨獣がいよいよ激突する怪獣パートに突入!
ここからが本番です!
うおー!おもろい!
どんだけ近くで巨獣が暴れても、まるで「コマンドー」でシュワちゃんには弾が当たらないように、主人公たちは平気だ!

本作は確かにドウェイン・ジョンソンを見て楽しむ映画ではありますが、正統派の怪獣映画として最高にイカしている逸品だと思います。
何かしらの原因があって生物が巨大化してしまうパターンは、古くから脈々と続いてきた由緒正しい怪獣映画の在り方であり、ビルがひしめき合う都会を破壊しながらの巨獣同士のバトルは楽しすぎて、その中にドウェイン・ジョンソンもちっこく混ざってるというのが、これまた素晴らしくバカで良いのです!

巨獣側の主人公であるゴリラのジョージは殆どキングコング🦍なので目新しくはありませんが、「バオー/来訪者」のビースス・スティンガー・フェノメノン(もしくは鬼太郎の髪の毛)みたいに体毛を針にして飛ばしたり、ムササビのような羽根で滑空したりも出来る(←大怪獣バラン?)オオカミゴン🐺は格好いいし、いきなり出てくるワニゴン🐊は他の二体より巨大で、まさにカテゴリー5って感じの大物感がメガトン級!
この中ではワニゴンが一番、怪獣してましてね。
登場シーンやビルを突き抜けながら登っていくシーン、そして耳をつんざく咆哮、どれをとっても正しく「怪獣」だったので、怪獣好きにとってはアゲアゲ↑な気分でしたよ!

また、ミサイルだろうが何だろうが、通常の攻撃なんぞ屁でもない強靭さも巨獣たちの魅力となっておりました。
やはり、怪獣ってのは通常の攻撃では傷ひとつ付けることの出来ないほど現実離れした存在でないといかんのです!
ゼットンを倒したペンシル爆弾ぐらいは使わないと倒せない絶対的存在。それこそが神秘の世界に生きる「怪獣」なのですから!

本作の巨獣は、ただ単に動物がデカくなっただけでなく、遺伝子操作されてルックスも強化、やってやんぜと言わんばかりに軍隊も街も蹂躙ざんまい!
これでもし、ドウェイン・ジョンソンまでもが「ハッピーバースデイ!デビルマン!」・・・じゃなかった、「実は俺、巨大化できるんだよねー」などとおもむろにスプーンでも振りかざしながらデッカくなったら、これがほんとのロックマン!なんて言って全てがギャグになるところだったので、最後まで普通の(いや、拘束バンドを引きちぎっていたから、ちっとも普通じゃないけども)人間でいてくれて、そこは良かったですよ。
オチがロックマン(まぁ、ロックマンは巨大ヒーローじゃないけどね)だったらどうしようと、実は戦々恐々としていたんですが、杞憂に終わりましたね!

入り口は比較的シリアスだったのに、終わってみると安定のバカバカしさ!
伏線らしきものも全部関係なしの直球一直線!
力技だけで何事も解決する、いつものヤツでしたけど、アメリカってのはこういうヒーローやっていれば大統領になれたりするのかなぁ?ちょいと単純すぎてクラクラしてきますが、本気で大統領目指すのか、ロック様・・・?

マトモな映画を観る気分で臨むと痛いしっぺ返しをくらうので、ハナっから脳みそ足りてないのを前提とした心構えでの鑑賞をオススメ致します!
「パシフィック・リム/アップライジング」が怪獣成分少なくてガッカリした方にこそ、いま必要な一作だと言えるでしょう!


※オオカミの名前はラルフ、ワニの名前はリジーという設定みたいです。原作ゲームは巨獣に名前がつけられており、それを踏襲しているとのことです。


劇場(シネプレックス平塚・2D字幕)にて