何をやってもキムタクと言われて評価されづらい木村拓哉ですが結構好きです。
自己イメージのナルシスティックともストイックとも言えるプロデュースの仕方、何をやっても同じに見える演技、キムタクという名前の略し方含めて往年の時代劇スターを彷彿とさせます。
今作はその木村拓哉と二宮和也の対決が見所だと思いますが個人的な印象では二宮和也の勝利です。
二宮くんの作品はあまり観たことがないのですがすごく上手いですね。
失礼ながらジャニーズファンが身贔屓で言っているのかと思っていました。
司法システムと正義の在り方というテーマを情報過多なセリフで展開させる前半部分はドライブ感もあって非常に面白く、もしかしたら今年のベスト10に入るかもと思える程でした。
二大スターにくわえ怪人 松倉を演じた酒向芳が素晴らしかったです。
しかし度々挟まれる政権批判や戦争批判がドライブ感を失わせ、後半の雑なダイジェストを観ている様な展開にガッカリしてしまいました。
原作にもある展開で仕方がないのかと思いながらもあまりにも取ってつけた様な戦争等の部分が気になってザッと原作を読んでみたら全く原作と違ってビックリしました。
監督が今作で付け足したり変更した部分が全て僕が感じたマイナスポイントでした。
以下 ネタバレになります。
原作では松倉の弁護側のサポートにまわって山崎努演じる大物人権派弁護士と共に戦う二宮和也とキムタクの対決になりキムタクの証拠ねつ造と殺人を暴いて逮捕させるという展開です。
結局 松倉は無罪放免で死亡もしません。
人権派弁護士はクリーンな人物を権力の暴走から救ったというストーリーの為 松倉が自白したユキの殺人も否認させるというストーリーでした。
キムタクは逮捕され松倉は無罪放免。
正義の剣は正しく機能しているのか、自分は正しいことをしたのかという苦悩からの二宮くんの慟哭で終わるというストーリーでした。
吉高由里子の潜入ライターの設定も無かった様に思います。
正直こちらのストーリーの方が良かったと思います。
