真田ピロシキ

ミスター・ガラスの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
2.0
ワクチン休みに曖昧に見た。『アンブレイカブル』と『スプリット』に続くシャマランヒーロー三部作の締めくくり。『アンブレイカブル』は面白かったがずっと前に見たきりなのでオチ以外はほとんど覚えていないし、『スプリット』ももう記憶が不確かなので状況がよく分からない。この時点で映画への集中は低め。

話が進むと精神病院に監禁された3人の異能者が「それはあなた達の妄想だから」と治療されるようになる。いくら合理的な説明をされてても映画では演出的にスーパーパワーとして描かれているので今更「そうかー合理的な解釈が正しいんだ」とは思わなくて茶番のような展開に映る。しかもこの辺からコミックは世界の真実を捉えているんだ!と気の狂った事を述べる人が出始めて、最狂のコミックオタク ガラスさんが寝た振りから覚めて更に加速。イカレポンチすぎててついていけない。まるでマンガにしか興味のない限界オタクを見せられてるようです。せめてヒーローコミック以外のマンガも読んだほうがいい。

そんなこんなで俺は超人だ、俺は特別だと選民意識を持った連中の争いには全く興味を持てず眠りそうになってて画面に意識を向けるのがやっと。思えばスーパーヒーロー映画のこういう連中がいけすかないんだよなあと思って早く終われと念を送っていたのだが、ここで超人カウンセリング医者の目的が「正義の味方に対して悪が生まれればその戦いはエスカレートしていく。悪も正義のヒーローも、人間の中に神はいらない」と言って両方を消していたのには『アンブレイカブル』から続くヒーロー解体の終着点を見て、終わらずにインフレし続けるヒーローコミックへの問いも感じられた。突出した何かを求めることを否定する。これは重要なことよ。なのにどんでん返しのどんでん返しでやっぱりヒーローバンザーイ。アホくさ。見なきゃよかったわ。結局シャマランもヒーロー教の人でしたか。多分これで完結な事くらいしか好意的に取れない映画でした。