柊

女は二度決断するの柊のレビュー・感想・評価

女は二度決断する(2017年製作の映画)
4.0
最後そうきたか。第2章の判決からかなり予測できたけど…悲しい😭

オープニングの結婚式が刑務所の中とは言えとても陽気で幸せに満ちたダイアン・クルーガーだった。でも身体中にタトゥーがあって、なかなか一筋縄ではいかない人生の人かと思わせたけど、数年後の幸せそうな3人家族を見てホッとしたのも束の間。あっと言う間に事態は変わってしまった。

ドイツの現状は私達が知るよりもずっと深刻なのかもしれない。裁判には明らかに外国人差別が反映されているし、ネオナチと認定されてもそれを支持する人達がドイツ国内には少なくないという現実が浮き彫りになっていた。ドイツ国内止まらず、今回はギリシャが出ていたけど、難民問題を抱える国はどこも疲弊していて差別意識が蔓延しているのか。これは由々しき世界情勢だと思う。
良く70年周期で戦争はやってくるって言われるけど、戦争で苦しい思いをした人達が一掃されるのがそのくらいの周期なんだと思う。だから私達が歴史を学ぶ意義はそこにあると思う。未来に希望を見つけ出すには過去に学び過ちを繰り返さないという意識が大事。
でもこちらは目には目をの時代まで遡ってしまった。
一度目は1人で、2度目は一蓮托生で…ダイアン・クルーガーの決断には誰にも共有できない悲しみの果てなのか。
それにしてもネオナチのドイツ人夫婦が国のお金で上告前の期間を過ごしているのは許しがたい。上告する前に1人でカタを付けたい気持ちの方に寄り添ってしまう。弁護士の言葉の方が正しいのはわかっているけどね。
あ〜それにしても麻薬渡しちゃダメでしょ。この経緯は返す返すも残念。
とても見応えのある作品でした。私は好き。
柊