コーディー

BPM ビート・パー・ミニットのコーディーのレビュー・感想・評価

4.1
90年代初めのパリ。若者たち、特に同性愛者の間で猛威を奮うAIDS。少ない情報により偏見や差別が生まれる中、それらに声を上げ製薬会社などを相手取って抗議をする団体〝Act Up- Paris〟の活動とそこに生きる若者たちの姿を描く。

明日消えるかもしれない命。隣の仲間たちが次々と亡くなっていく状況の中でもう悠長なことはやってられないと情報を小出しにする製薬会社への過激な抗議活動。そんなやり過ぎにも見える実力行使やけど注目されなきゃ何も動かないし、強引にでも変革しないと自分たちはただ死を待つだけ。そんな生と死の狭間でギリギリの抵抗を見せる若者たち。それは冒頭の議論シーンから凄い熱として伝わってくる。

なんやかんや知ってるようで知らなかったAIDSのこと、ましてやこの団体のことも全然知らなかったので単純にこの病気やLGBTへの認識を深めるって意味でも集中して観れたし、生きるために、皆に伝えるために学ぶ彼らに教えられるような感覚でした。そして団体の活動だけじゃなくラブも絡めた個に迫るドラマとしての展開も良い流れやったと思います。

キラキラダンスシーンも印象的で死の川のほとりで生への輝きを放つ若者たちの力強さが眩しかったです。