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ジュピターズ・ムーンのkitoのレビュー・感想・評価

ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)
3.0
最近なぜだか“ハンガリー・スイッチ”が入って短期間に3本目。本作は数ヶ月前に一度見始めたのだけど、何だこれ⁈感に負けて40分ほどで断念した。再見で後半に突入するとがぜん惹きつけられる展開になったが、序盤はやはりいささかとっつきにくいと思う。

突然、空中浮遊の能力に目覚めた難民の少年を巡る物語。でもスーパーヒーローのようにビュンビュン飛び回るわけではなく、移民局から追われたりテロにあったりとピンチになるとふんわり浮き上がり逃げ切る。本人もなぜそんな能力が使えるのかわからないまま。

しかしその空中浮揚を目にした周りの人々がそこに奇跡だったり天使や神を見出すのは、やはりキリスト教文化なのだろう。そんな宗教観、移民問題やそこから発するヘイト、テロといった背景は、極東の島国に住む単一民族の日本人にはなかなか理解が及ばない部分がある。

以前ときどき空を飛ぶ夢を見た。幼少期に住んでいた団地の屋上にふんわり降り立ったりして、目覚めた後とても心地良い夢だった。最近はすっかり見なくなってしまい寂しい。本作の飛行シーンはまさにそんな夢を映像化したかのようで、もうそれだけでやっぱり最後まで観て良かったと思った。

そのうえ「リザとキツネと恋する死者」「X 謀略都市」でヒロインを演じたモニカ・バルサイが披露した美しいヌードが望外に眼福だった。
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