人間はいかに自分以外に無関心であるか、ということを徹底的に突き詰めた恐ろしい作品でした。
テレビで流れるウクライナ内戦のニュースを無表情で眺め、ひたすらスマホをいじくり回す両親の姿は、まるで自分のことのようでゾッとしました。
厳しいラストは、この両親同様に観客をも逃しません。
つい先日、5歳の娘が「すみません、もう許してください」と手紙に残すほど凄惨な虐待をし続けた両親のニュースを見たとき、思わずこの映画のことが頭をよぎりました。
こうやって、まるであの"木に引っかかった紐"のように、観た人の心に残り続ける作品なんだろうと思います。