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女王陛下のお気に入りのmaiのネタバレレビュー・内容・結末

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

パワーゲームの醜さ、構造主義について考えさせられる映画

階級という構造と女王が絶対的に権利を持つ社会。そういった社会での人間はまるで実験対象の兎のような存在だと感じた作品だった。

パワーに抗うには駆け引きや狡猾さや工夫などが必要だ。それだけが、唯一この構造から逃れる方法でもある。
アビゲイルははじめは理不尽なパワーから逃れるためだけにこれをつかっていたが
パワーゲームというルールを理解し、力を得るごとにパワーに溺れるようになる
しかしそれは結果自分がパワーによってねじ伏せられる存在にもなりうるということだ。

脚を揉みながら(恐らく性的な比喩)髪を掴まれる彼女を見ながら
週刊誌の香川照之氏の映像を思い出した

女ばかりがメインで出てくる映画でパワーゲームの映画ではあるがその構造は男女間のパワーの違いにも通じ、そういった視点でも語れそう。

相手になにかを望む愛、望まない愛なんかも語りがいがありそう

個人的に好きな映画ではないが
色々な切り口でひとと語れそうという意味では面白い映画だった。
mai

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