滑稽で悲しく、虚無感に襲われる。
そしてそこが面白い。
あるのは女王という地位だけで、国を守ることや政治経済に興味のない女王。
子供を17人亡くし、夫にも先立たれ、精神崩壊しているという状況は同情するが、子供のようにthe favoriteに支配され、戦時中の国民の命はthe favoriteに左右される…
殆どのシーンは宮廷の中にいるだけで、外の世界は殆ど見えず、広大な宮廷であっても閉塞感、視野の狭さが際立つ。
一見滑稽ではあるが、イギリスのこの時代特有のものではなく、どの国のどの時代でも、一般市民の中でも起こりうると思うと、恐ろしい。
醜さを全力で表現するオリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン3人の体当たり演技の迫力がすごい。