私はランティモス監督のロブスターが結構好きなんですが、今作はちょっと題材的に合わないかもなぁと思いつつもやっぱり観てしまった。
いつもの監督らしいトリッキーな演出は魚眼とかカメラワークがたまに入るぐらいで、抑えめになった結果か、主役３女優の熱演が全面に押し出される内容となった。
華やかな衣装やセットとは裏腹に、内容は女達の葛藤や堕とし合いなので、しっかりと陰湿で結構グロい。
文字通り体を張ったエマ・ストーンの狡猾な感じはピッタリだったし、何よりオリヴィア・コールマン演じる孤独すぎる女王陛下の内面の複雑さたるや。
これ、演じる側はさぞ大変だったろうなぁ。
前作「聖なる鹿殺し」でも思ったのだけど、この監督にはやっぱりロブスターみたいな、シュールで笑える映画をもう一度作って欲しいなぁ。
