ピピン

ザ・スクエア 思いやりの聖域のピピンのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

稀に見る大傑作!

我々庶民は意識せずとも必ず何らかのスクエアに居るのだ!

美術館を舞台にして、人間の本質から社会問題までをテーマに、世の中の構造の縮図を表現している。
最後まで観るとこれは金融資本主義が引き起こした弊害を訴えているのが分かる。

世の中は全て利益で回っていて、ヒット商品から思想的な物まで殆ど全ては仕掛人がいる。
平和や平等など、耳障りの良い言葉は全て疑った方が良い。

偽善に満ちたスクエアとはそういった仕掛けの象徴。
そして仕掛けられる側である一般大衆を象徴するのが猿なのだ。

主人公は仕掛ける側の人間で、何でも無い鞄もアートに出来、砂の山がアーチストの意向と違ってもどうでも良いと思っている。
しかし主人公は成功者ではあっても、本当の支配者層では無く、不祥事が有れば切り捨てられる人間なのだ。
本当の支配者とは世の富の50%を独占する291人の事で主人公はその内の1人が友達に居るだけに過ぎない。

支配層は主人公をクビにする事でスクエアの宣伝に成功する。
切捨てられてようやく気付いた主人公は自分の罪の重さを知り少年に謝ろうとするが…

今年のNo. 1候補!
ピピン

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