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夏の娘たち~ひめごと~のマニのレビュー・感想・評価

夏の娘たち~ひめごと~(2017年製作の映画)
3.0
ジャケットとタイトルに惹かれての鑑賞。予備知識ゼロだったので『岬の兄妹』の主演二人が出演されてて驚きました。

肉まんだと思って食べたらあんまんだった感覚。この瞬間に求めた味ではないけれど、気分が合うときならとても好きになったと思う。

複雑な相関図が頭の中でうまく描けなかったです。田舎の実情は知らないけれど、ここまで乱れているとは思いたくないなぁ。生=性という描かれ方。それは真理かもしれないけれど、わたしは心の機微や情緒を期待してしまったので情とは離れた性だけの描写に戸惑いました。わたしが汲み取れていないだけで、確かに人物たちの揺らぎはあったと思うのですが……なんというか、本能とも違う衝動的なセックスを見させられただけというか。人間関係を理解できていない自分の理解力のせいなんですけど、もうちょっとわかりやすくしてほしかったですね。

環境音が大きすぎて台詞が聞き取れなかったり、質の低いホン・サンスみたいなズームが気になったり、思い切ったカット割りにビックリしたり。故意なのかわかりませんが、全体に漂う不気味さにも繋がる独特な技法だなと思いました。良くも悪くも。

和田光沙さんが「好き嫌いに理由なんかない!」とキレ散らかすシーンがとても良かった。この作品を象徴しているようにも思える。理由を必要としない人々。

ビールがたくさん出てくるのも良かった。女二人キャッキャと布団でビール飲んだり、男二人雨宿りして缶ビール開けたり。

ED曲はなんか怖くて泣きそうになりました。
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