夏の娘たち~ひめごと~の作品情報・感想・評価

夏の娘たち~ひめごと~2017年製作の映画)

上映日:2017年07月01日

製作国:

上映時間:75分

3.5

あらすじ

山あいの小さな町に直美(西山真来)は養父の最期を看取りに戻って来た。義理の弟・裕之(鎌田英幸)との再会はふたりのあいだに秘密の過去をよみがえらせる。彼らは姉と弟の関係を越えて男女の仲に至っていた。裕之への愛を再燃させた直美だったが、やはりこの町に戻って来た幼なじみの義雄(松浦祐也)を前に思いは乱れる……。

「夏の娘たち~ひめごと~」に投稿された感想・評価

TaiRa

TaiRaの感想・評価

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やはり最後まで奇怪な映画を撮っていた人なんだなと。堀禎一の全容って把握するの無理なんじゃないか。

映画の最初っから奇妙なカット割りの連続で、カメラのズームだってとにかく変で、話もさっぱり分からない。閉鎖的な田舎の町、というか村の入り組んだ性事情を映したメロドラマのようなもの。父親の正体が不明な女が主人公で、それがなんら珍しい事ではないように、登場人物たちは次々と相手を変えて交わって行き、やはり誰が親かも分からない子供を身籠って行く。そのドロドロな性事情を爽やかな夏の思い出の様に瑞々しく撮っているから奇怪である。良い年した男女が川でキャッキャと水遊びし、視線を交わして相手の好意をキャッチしたりする光景は一体何なのか。一方で映画自体は妙にクラシカルな雰囲気を纏っていて、大胆な時間の飛ばし方や素っ気ない台詞での説明なんかはかつての日本映画を観ている様だ。主人公が旅館の廊下を歩いて来て階段を降りる間際、振り返って「変な人」というリズムなんか凄く古風だし。下着姿ではしゃいだ女二人が酒を酌み交わすカットがあると当然の様にトイレでゲロ吐いてるカットへ繋ぐ。ギャグは割とストレートに作っていた。二階の窓から母親が倒れるのを見た主人公が旅館内を移動して母親の元へ行くカットの連なりが何故か好き。葬儀の後の喫煙所にぞろぞろと人が集まって来るシーンのカット構成は相変わらず面白いし、ラスト手前の喫煙所の会話も変で良い。「何で首吊ったの」「ロープでしょ」「分かんないよ、お兄ちゃんに聞いて」その直後に女がすっ転んで「あ、Tバック」だ。変さの密度がどうかしてる。
obat

obatの感想・評価

4.3
堀禎一特集(3回目観賞)
天竜区の後だとまた違う印象。不思議な人達や理解できていないシーンもまだ沢山あるけれど、それがかえって現実的に思える。またいつか。
9:30のヴェーラの踊り場からの夏の終わりの空。ずっとこの場所でこの特集をやっていたらいいのにと思うくらい幸せな時間でした。
XmasStory

XmasStoryの感想・評価

3.0
ポスターの絵に惹かれ。映画自体は実にじめじめと絡みつくような湿度を感じ。小さく狭い土地ならこう言うことも日常的にあるかも?とか思ったり。川辺の場面も綺麗じゃないけど何故か好き。
非常に気持ち悪い。近親相姦は姉が実際にいる立場としては生理的に受け付けないのだが、この映画自体は面白いことをしてると思います。
田舎の禍々しい性事情を何故か瑞々しく撮ろうとするのやめてくれマジで怖い。
あと、主役の女がアジアン墨田に似ててキツすぎる…
何なんだこれ…💧
水辺でワイワイキャッキャウフフしてる絵は魔法少女を忘れないにもあったね!
ヤプ

ヤプの感想・評価

4.0
自然や土地、空間そのものが神話のように機能して、登場人物たちはその場に起こる出来事の因果関係から解放されるように生き、あるいは因果関係そのものとして存在しているみたいだ。仰向けやうつ伏せの状態をとったり、突然倒れたりをする人物が多いなかで、おそらくは身体を宙に浮かした姿勢をとったと思われる人物がいる。彼の姿は見えなくなる。
「だから、ロープですよ」というあっけらかんとした言葉が、彼が自然や土地、空間そのものと繋がり同化したのだという風にも聞こえて、物語は「旅の人」のように拡散をし、そしてまた繰り返され開かれ続ける。

一年ともう少しでひとつきが過ぎる今年の今も夏で今日も暑い。
TzlTTqTj

TzlTTqTjの感想・評価

3.6
旅人に任せれば大丈夫👌

不思議な映画でした。物語に演技、特筆することはないように思います。

田舎の風景と性行、人間模様が絡みあっていく様子が静かに映されます。私たちが生きているスピードを、私は感じました。

特別な雰囲気のある映画でしたから、心に沁み面白かったと思います。
一度見たら忘れない顔してる。行間に奔放な性の欲望が漂う。小津+ゴダール+大島渚
山間の小さな町に養父の最期を看取りにきた直美は、義理の弟・裕之と再会する。
ふたりはかつて姉と弟という関係を超え、男女の仲にあった過去があり、直美は裕之への思いを再燃させる。
しかし同じく町に戻ってきた幼なじみの義雄とも再会した直美は思いが揺れ動く。


閉鎖的な田舎町ではセックスしかすることがないという話はどうやら本当だったようで。小さな町なので人の繋がりは端から端まで繋がっている。誰と誰が寝てるかなんてすぐ分かるだろう。

「ヤリたい」と「好き」を混合していた兄は姉にフラれたショックで自殺した。
父が病気で亡くなった冒頭のシーンと似たようなシーンがここでまた流れる。
レイナは兄の子を妊娠し、姉は幼なじみの義雄と結婚し妊娠している。
小さなコミュニティの中での取っ替え引っ替えの関係。

「血縁」「妊娠」これがキーワードなんだけど、暗い町の雰囲気と役者たちのリアルさが妙なエロさを醸し出していました。
私はこの作品好きです。
中上健次みてーな世界観。村にやってきたよっちゃんが死んだの父親のようになって終わる。画面外から聞こえる子どもの声が「血縁」「妊娠」といったテーマを引き立ててる感じ。
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