優しい世界で乗るジェットコースター。
作品自身がディオールのように夢を与える存在として作られたのだと思う。光陰のコントラストはありつつも、基本的には情で固められた世界とわかりやすさ重視の過剰な演出。万人受けするのかもしれませんが、私は悲しいときにばかり降る雨を信用できなかった。
労働階級が王になる革命を描いているのにお金に関してはほぼ遺産とギャンブルで工面したのもモヤモヤ。本人が必死に床を磨いて稼いだと言い張るのでなおさら。とはいえ、肩ひじ張らずに楽しく観れました。色鮮やかなドレス、ナターシャの美貌、伯爵にしか許されない薔薇の花束。パリを堪能したぜ。
あと、これはうまく伝わる気がしませんが、会計士の妹の部屋のキッチンがすごくフェルメールで良かった。