このレビューはネタバレを含みます
これは本当に面白かった!
音楽ってどうしてこう巧みに感情を左右することができるんだろうって常々不思議だったので余計に。
空気の振動のバリエーションによって楽しくなったり悲しくなったり、高揚したりリラックスしたり戦闘的な気分になったり、映画に音楽がなければ「ここは泣かなかったよな」とかって思うような場面もいっぱいある。
「ここでこの音楽かけるのずるい」とか思いながらまんまと泣いているとかしょっちゅうだし。
そうなるように巧妙に耳になれるよう同じフレーズを流していっているのかとか、そういう計算を知るのも面白かったけれども、それよりも何よりも音が鳴るならなんでも楽器にして今までにない音楽を生み出そうとするミュージシャンたちの執念みたいなものがすごかった。
こんなに七転八倒しながら生み出されているんだ!と。
アーティストというかクリエイターってやっぱり只者じゃないんだなぁと(←ヘンテコな人たちだと言いたい)。
例にあげられる音楽を聴いているとその映画が観たくなったり。
ずるいなぁと思ったのが、その”音楽”によってまたこのドキュメンタリーにも感動させられてるし!って。
観客の反応を知りたくて上映館のトイレにこもって、上映後にその映画の曲を鼻歌っている人たちがどれだけいるかを確認し、幸せにひたるというのも、なんだか思いもかけないことで。
一番達成感を感じられる瞬間なんだろうなぁと。
それほどの情熱が注がれ誕生するものなんだなぁということに感心したり嬉しかったり。
どうしようもない映画の音楽をつけるはめになった作曲家さんたちとかどう乗りきるんだろうとか気になったりも。
どんな無茶なシチュエーションでも音楽をつけなくちゃいけないって、とんでもないチャレンジだよなぁとか。
とはいえ、いきなりポール・ウォーカーさん事故のニュース映像インサートしてくるのはやめてぇ....。
もう一瞬めっちゃ動揺しまくったから。
でも、あの場面の音楽をつけるのがどれだけ大変だったかというのもわかるから...仕方ない...かな。
あれは特異すぎる仕事だっただろうなぁと思う。
映画と音楽は切っても切れないし、なんというか映画監督と映画音楽を作る人たちは平行な関係にあるというか、線路みたいな感じで。
音楽を生み出せる人たちっていうのは本当にかっこいいなぁと。