Leaf

ドグラ・マグラのLeafのレビュー・感想・評価

ドグラ・マグラ(1988年製作の映画)
4.0
読んでしまうと1度は気が狂うと言われている日本三大奇書の1つでお馴染み、ドグラ・マグラの映像化。原作が好きゆえに観れずにいたのですが、悪くないと聞いたので鑑賞。
個人的には想像以上に良かったと思いました。
それにしてもパッケージはなんでこんなことになってしまったのか...
こんなシーンはありません。

記憶喪失の少年の記憶を取り戻そうとする過程で、ある事件の真相を探ろうとする、というような話になるかもしれないですが、物語の構造上そんな単純ではないし、個人的にはもっと大事な部分があると思ってるのであらすじ書くのすら大変。
そんな原作を少しアレンジすることで若干解釈しやすくなっている気がします。
それでも話の行ったり来たり、何が本当なのか、そもそも何を知りたかったのか混乱するような入り組んだ構造は健在で、だからこそ原作の雰囲気を残せている点が非常に良かったです。

映像化する時点で作り手の解釈が混ざるため、もともとあった余白が少なくなってしまうのは否めませんが、インタビューで監督自身が自分の解釈が入っているとおっしゃていたことにとても好感を持ちました。
本で多くの人が読むのをやめてしまうと個人的に思っている部分もそんなに気にならないので、興味ある人には是非とも観てほしいです。
最初から最後まで観てもたったの2時間で終わります。

長々書きましたが、複雑怪奇な話で好き嫌いは別れてしまうと思います。
それでも話の中の何を問題とするのか、その答えはなんだと思うのかについて本作を読んだ、観た人と語りあいたくなる大好きな作品。
たぶんまだ気も狂ってません。
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