仰々しいナレーションと共に幕を開ける襲名式。
利権を巡るヤクザ間の壮絶な抗争。
躍動感溢れる手持ちカメラ。
暴動の爆発的パワー。
端々で窺える深作欣二の揺るぎなき反骨精神。
伝統的な東映任侠映画の要素と、その後の実録路線への片鱗が混在した現代ヤクザ悲劇。
この凄まじいほどのリアリティーとエネルギーに満ち溢れた作品は「仁義なき戦い」の原型とも云える深作美学の結集でしょう。
また、権力と謀略に翻弄されていく人々の群像劇は、後の「県警対組織暴力」にも引き継がれることに。
スラム街がめちゃめちゃリアル過ぎるけど、これって本当のスラム街で撮影したんじゃないんですかね？これが作り物ならまじで凄い美術力ですわ。
