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悪女/AKUJOのeyeのネタバレレビュー・内容・結末

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

"悪女" (2018)

スタイリッシュアクション映画

"魔女"(2018)

って作品を観たときにも思ったけど

韓国映画のアクションは
とてつもなくレベルが高い

世界的にみてもヤバいから
カンヌも騒然としたんだろう…

日本じゃ まず同じことができない

冒頭のシークエンスから
いきなり引き込ませる

ほそーい廊下や階段のなかで
何十人といる犯罪組織に対し惨殺の嵐

颯爽とやつけていく
アクションの見所は満載

https://youtu.be/U8kgrPqc_B0

バイクアクションもノンストップ

車体がグラングランしてるのに転落しない
身体がよじれてるけどやっぱり転落しない

それでいて日本刀を振り回してる

どうやって撮影したのかってくらい唖然

一説にはドローンを
使ったとも言われてるが…

劇中のスタイリッシュシーンでいえば

スクヒが花嫁姿でライフル銃を構えた瞬間
引きの映像がとてもカッコよかった

ドレスが長く美しく映えていた

たまーにアクション映画を観たくなるけど
この映画はストーリー自体も素晴らしかった

それでいて感情の振れ幅がとても大きい

"魔女"(2018)のときは
能力がほぼ人間じゃなくてある種
魔法みたいな能力を持ってる

対してこの作品は

元々高い人間の身体能力を更に伸ばしてる
っていう人間味がある様子

アサシンのスクヒ
スクヒの育ての親であるジュンサン
組織の監視役ヒョンス
スクヒの子ども ウネ

スクヒは『ジュンサンが死んだ』

と思い違いをしてから
運命自体がおかしくなってる

かつて愛した男性でもあるジュンサン
今 愛する男性ヒョンス

双方の恋愛模様を絡めつつ
アサシン任務と向き合っていく

アサシンレベルがずば抜けていたはずが
施設を抜けてから次第にスキが出てくる

それはふつうの日常生活によって
ある意味 スクヒが普通の人になってしまう

という皮肉めいている

結果として罪のない
幼子ウネを巻き込んでしまうのは

昨今の日本の事件もあり
とても心が痛み 観るのが辛かった

後半は もうアクションの総決算

個人的に度肝抜かれた
スクヒがジュンサンを追いかける車のシーン

→スクヒを轢いた車をスクヒ自身が奪う

→バキバキのフロントガラスを斧で取っ払い

→アクセルにペットボトルをはさんで固定

→ボンネットに出て 斧を突き刺す

→片手でハンドル操作

もはや鬼神の動きと化してる

バスに飛び移ってからも幾度となく
反対車線の車に轢かれそうになる

何回かタイミングを計って
バスのリアガラスから突破する

https://youtu.be/XDSGGe9htwM

バイクアクションもだけど
どこでこんな撮影したのやら

バスを横転させるやり方も もはや異次元

ジュンサンのラストのメッセージも深く

>俺を殺すんだ。そうすればその時から始まる。本当の苦しみが。お前を殺した あの日のように

かけがいのない子を
失った1人の女アサシンとして

そして

ずっと記憶の中のジュンサンの
影に追われながら生きていく

『その世界から抜け出せない』

というカルマがラストの

"笑み"

につながる

心の闇が深まる形でストーリーは終焉

希望を見せられるわけじゃなく
ハッピーエンドでもない

ただ スクヒが見せるあの

"笑み"

アレはこの映画の全てをかっさらう
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