このレビューはネタバレを含みます
"悪女" (2018)
スタイリッシュアクション映画
"魔女"(2018)
って作品を観たときにも思ったけど
韓国映画のアクションは
とてつもなくレベルが高い
世界的にみてもヤバいから
カンヌも騒然としたんだろう…
日本じゃ まず同じことができない
冒頭のシークエンスから
いきなり引き込ませる
ほそーい廊下や階段のなかで
何十人といる犯罪組織に対し惨殺の嵐
颯爽とやつけていく
アクションの見所は満載
https://youtu.be/U8kgrPqc_B0
バイクアクションもノンストップ
車体がグラングランしてるのに転落しない
身体がよじれてるけどやっぱり転落しない
それでいて日本刀を振り回してる
どうやって撮影したのかってくらい唖然
一説にはドローンを
使ったとも言われてるが…
劇中のスタイリッシュシーンでいえば
スクヒが花嫁姿でライフル銃を構えた瞬間
引きの映像がとてもカッコよかった
ドレスが長く美しく映えていた
たまーにアクション映画を観たくなるけど
この映画はストーリー自体も素晴らしかった
それでいて感情の振れ幅がとても大きい
"魔女"(2018)のときは
能力がほぼ人間じゃなくてある種
魔法みたいな能力を持ってる
対してこの作品は
元々高い人間の身体能力を更に伸ばしてる
っていう人間味がある様子
アサシンのスクヒ
スクヒの育ての親であるジュンサン
組織の監視役ヒョンス
スクヒの子ども ウネ
スクヒは『ジュンサンが死んだ』
と思い違いをしてから
運命自体がおかしくなってる
かつて愛した男性でもあるジュンサン
今 愛する男性ヒョンス
双方の恋愛模様を絡めつつ
アサシン任務と向き合っていく
アサシンレベルがずば抜けていたはずが
施設を抜けてから次第にスキが出てくる
それはふつうの日常生活によって
ある意味 スクヒが普通の人になってしまう
という皮肉めいている
結果として罪のない
幼子ウネを巻き込んでしまうのは
昨今の日本の事件もあり
とても心が痛み 観るのが辛かった
後半は もうアクションの総決算
個人的に度肝抜かれた
スクヒがジュンサンを追いかける車のシーン
→スクヒを轢いた車をスクヒ自身が奪う
→バキバキのフロントガラスを斧で取っ払い
→アクセルにペットボトルをはさんで固定
→ボンネットに出て 斧を突き刺す
→片手でハンドル操作
もはや鬼神の動きと化してる
バスに飛び移ってからも幾度となく
反対車線の車に轢かれそうになる
何回かタイミングを計って
バスのリアガラスから突破する
https://youtu.be/XDSGGe9htwM
バイクアクションもだけど
どこでこんな撮影したのやら
バスを横転させるやり方も もはや異次元
ジュンサンのラストのメッセージも深く
>俺を殺すんだ。そうすればその時から始まる。本当の苦しみが。お前を殺した あの日のように
かけがいのない子を
失った1人の女アサシンとして
そして
ずっと記憶の中のジュンサンの
影に追われながら生きていく
『その世界から抜け出せない』
というカルマがラストの
"笑み"
につながる
心の闇が深まる形でストーリーは終焉
希望を見せられるわけじゃなく
ハッピーエンドでもない
ただ スクヒが見せるあの
"笑み"
アレはこの映画の全てをかっさらう