真田ピロシキ

ラッカの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ラッカ(2017年製作の映画)
3.0
Netflixで『OATSTUDIOS』という名の短編集として配信されているエピソードの1つ目。監督は『第9地区』のニール・ブロムカンプ。冒頭で地球はエイリアンに侵略され環境を作り変えられて温暖化が進み最早人類は滅亡の間際にいると説明されてて、ははぁこれは現在進行系の気候変動への警鐘を訴えているのかと思った。エイリアンが生き残りの女性を産む機械に使ってて舞台が2020年のテキサスというのも如何にも温暖化を否定する連中を皮肉っているように見えるじゃないですか。しかし大まかな設定だけ作って力尽きたかのように本編に入ると失速。あの爆弾魔は入れる必要あったの?エイリアンはC級映画のようなお方達で高い技術力があるのに知性の欠片も感じさせない野蛮そのものな行為しかせず、意義の分からない人体実験を繰り返した結果僅かな生き残りをスーパーヒューマンにしてしまう有様。尺が30分もないのはあるにしてもこれではあまりにも。外見もただの二足歩行爬虫類だし。『第9地区』の難民エビエイリアンの秀逸さを再確認。お得意のゴアとミリタリー描写はこの短い時間でも楽しめるのが救い。最近はゲームの映画化クオリティが上がってて、以前にXBOXの看板タイトル『HALO』の実写化をブロムカンプにオファーして頓挫した経緯があるから再度頼んだら良いと思うよ。『HALO』の映像化は率直に言って酷いのしかないし、ここ数年劇場映画を撮れてないブロムカンプに取っても持ち味を活かせてWin-Winでしょう。