ベルベー

JUNK HEADのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

JUNK HEAD(2017年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

世界観一本勝負という趣。「トータル・リコール」とか「ロボコップ」とか、その辺りのバーホーベン思い出した。「キン・ザ・ザ」は観てないので分かりませんごめんなさい…。

こういう気持ち悪いけどそれ故に鮮烈な印象を残す濃い世界観を、少数スタッフによるストップモーションという形で世に発表したのは凄いこと。インダストリアルなBGMも含め、なんだか懐かしい気持ちになりました。

しかし一本の映画としての評価は別な気もする。99分と長いわけではないが、中盤明らかにダレる。言葉を喋れない「ポン太」中のエピソードはあんなに尺要らないでしょう。ポン太になるまでテンポ良いのにそこから明らかに落ちるし、元の姿(?)に戻ってからまたスピーディーで気になる展開になるので。物語として見た場合、力を入れる箇所を間違えてるような。

終わり方もズルいというか…続き物の作品(エヴァとか)だって、主人公のドラマに一応の纏めが入ることが多いと思うんです。特に1本目はそう。「序」然り「新たなる希望」然り。本作は纏められていない。途中で作り手の方が力尽きた、尻切れトンボに見えてしまう。元から三部作想定なら、例えば最後は少女と共に新たなる旅路を行く、みたいな演出もできたはず。あの終わり方だと「え、未完成?」と思ってしまうよなあ。to be continued的なアナウンスもない訳だし。

世界観が独特なのは良いこと。変な話、意味不明な造語や独自設定の数々に説明がなくたって良い。そこで生きるキャラクターのドラマが魅力的で、筋道が立っていればそれでいい。でも本作はそこを投げちゃってる気がする。ので、光るものを持っているけど映画として面白いとは自分は思えなかった。続編があるなら楽しみです。
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