人類に新種のウイルスが襲いかかり、人口の30%が失われる。この設定の話を7年前から考えて作り続け、いま公開されるという恐ろしいタイミング。
“日本人が”とか“ひとりで”とか“独学で”とか“7年かけて”とか“デルトロ絶賛”とか“伝説のカルトムービー”などという惹句を抜きにこの作品は語れない。
普段はあまりそんなことに飛び付かないのだが、これは同時代に見なきゃならない映像だと。
で、ただただ、すごかった。
監督は変態だ(いい意味で)。
出てくる人物(?)や怪物の造形がすごい。よくこんなの考えたな。というか、考えたとしても動かそうとは思わんよ。
怪物たちはめちゃくちゃ気持ち悪い。
ぬめぬめぬめぬめぬめぬめした感じ。
そして地下ダンジョンをさまようゲーム感覚。
めちゃくちゃ楽しい。
声にノイズが入ると、字幕もノイズが入ったように見せたり、そんな細かい遊びも見ていて楽しい。排泄物にはわざわざモザイクを入れたり。
死なない主人公が、天国の話をする。
意外と“生死”という壮大なものを映像で表現していく。テーマが深いな。
独自の言語のおかしさもあるし、ちょっとチープだけど、音楽もカッコいいし、キャラクターのかわいさもある。そして、ラストは悲しさもある。
あと、ぶらぶらしていたあれは尻尾だった。