順慶

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスターの順慶のレビュー・感想・評価

4.3
初鑑賞。ずっと気になりながら見なかったので、4Kの機会を逃さず、仕事帰りに映画館へ。
格調の高さからずっと文学作品の映画化だと思っていた。

19世紀の半ば。スコットランドからニュージーランドへ嫁ぐことになったエイダ。娘も連れて、ピアノも連れて船で行く。とにかくすごい旅だ。
浜辺から家までは遠いし、道はないし、ぬかるんでいるし。
だからピアノは海辺に置かれたまま。

エイダ演じるホリーハンターの目が印象的だった。目に強い意志を感じる。自分で決めること。でも話さない。だからこよ余計に目が印象に残っている。

ベインズ(ハーベイカイテル)は、フェチなのかなと思っていたけど、自分の行ないを恥じるなかなか紳士でもあった。
寝取られてしまうスチュアート(サムニール)も床下に潜ってのぞき見るという変態さ。あこでバレたら気まずかっただろうな。

最近見た「哀れなるものたち」との共通点も感じた。女性が自分の意志で、社会にとらわれず行動する。
浮気なんだけど、そもそもエイダはスチュアートに惚れてない。エイダを応援しているのに、あの娘(アンナパキン)は余計なことを。まじめかよ。

ドキッとする展開も待っていたけど、とてもいい映画だった。

見終わって、ずっとピアノの音が耳から離れず、幸せだった。
順慶

順慶