こども

JUNK HEADのこどものレビュー・感想・評価

JUNK HEAD(2017年製作の映画)
3.8
表現者にとって「こんなに頑張ったんだから」は禁句だ。フェアに作品を評価しようとする時「こんなに頑張ったんだし」は思っちゃいけない。
ただ、今回は例外。
堀監督がこの作品に注ぎ込んだ熱量「そのもの」を誇ったとしても誰も何も言わないだろう。
そして、観た人全員が「報われて欲しい」と思ったとしてもなんら不思議ではない。

スクリーンから、意図せぬ年月の澱みたいなモノが滲み出てている。それを感じる度、鳥肌が立った。

パンフレットに書いてあった「気がついたら映画ができていた」みたいな言葉がすごく印象的だった。
なぜかというと、「こだわり重ねてたらできちゃった感」を確かに感じたから。
正直、映画としてはかなり荒削りだ。
物語のテンポはやや冗長で、退屈なパートがあるのは否めない。
もっと言うと、「面白いか」と聞かれれば、素直に頷けないようなところがある。
それでも、ここまでの熱量をもって作品に取り組めるということは、ダメなところを伸び代に感じさせるほどの圧倒的アドバンテージだと感じさせてくれる。
それに、次は絶対にもっと良くなるという確信もある。
私と同じように思っている人は多いんじゃなかろうか。

とにかく、頑張った。そして、頑張って欲しい。
映画の批評レビューとしてはあまり相応しくないかもしれないが、鑑賞後の今、これが一番言いたい言葉だ。
こども

こども