延々と歩く

ヴァーサス/ケン・ローチ映画と人生の延々と歩くのレビュー・感想・評価

3.0
 「イギリスで最も左翼的な映画監督」ケン・ローチに関するドキュメンタリー。ローチ氏に興味がある人向けです。そこまで面白くはない。

 BBCで働いていた人なので、そこ関連の映像がたくさん出てくる。この時期のテレビ・ドキュメンタリーは日本で観られるのかな?まあTSUTAYAとかには無さそう。社会派ドラマをいかにBBCをだまして制作したかというお話。
 ドキュメンタリーでは労働組合上層部の腐敗を扱ったそうだが、それだけみれば政治的には左というより右っぽい。まあ左翼の理想を上層部が裏切ったという視点なのだが。番組自体は「左翼のグチ」と言われたという。

 あとホロコーストに関する演劇なんかやってたんですね。主役はガブリエル・バーン。「ローチの頑固さは観ている分には心地いい。しかし敵にまわしたくはない」と語っている。ナチスに協力したユダヤ人の話なので大問題になり、劇は興行主に見捨てられた。

 仕事がない時期にマクドナルドのCMを引き受けていた、というのもスゴイ。よりによってケン・ローチが…というのもあるし、依頼する方も依頼する方である。
 「ブラック・アジェンダ」がカンヌで評価されてようやく監督業に専念できるように。こういう事に関してやはりフランス人はえらい、のかな。
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