水道料金が高い!
どうして⁉︎
と云うだけで100分見せ切ると云う凄い映画。
主人公はソウルで司法試験の受験を4日後に控える息子を持つ田舎町で美容院を経営する母親。
ある日、息子から水道料金120万ウォン、日本円で、118,800円を支払ってくれと連絡が入る。
どうしてそんなに高いの?
と母親は息子の住むソウルの司法試験の受験生専用の古色蒼然としたマンションへと向かう。
さっさと払ってくれと云う息子と対立しながら、
母親は水道料金の謎を勝手に調査し始める。
そして…。
母親同様、こちらも何で水道料金がそんなに高いんだ⁉︎
と云う謎を抱いた時点で作品にのめり込み始める。
そして、母親の謎解きに参加し始める。
受験まであと4日と云うタイムリミット。
母親の調査を手助けする謎の人物。
すでに受験を諦めた受験生。
警察署長の娘だと名乗る謎の受験生。
怪しげな栄養ドリンクを製造販売するマンションの管理人。
興味を掻き立てる状況や人物をあちらこちらに設定して最後まで飽きさせずに見せ切る。
テーマはおそらく、
韓国の司法試験の在り方に付いてだと思う。
その厳しさが随所で表現されるから。
探偵役の母親と母親の協力者が頭脳明晰でないのが良い。
彼ら彼女らは、ただの好奇心だけで動く。
ただ、やたらと行動力はある。
それがスリルを呼ぶ。
やがて、その真相が分かって…。
ソコはお楽しみなので、
自分の目で確かめて下さいませ。
ヒッチコック並みのサスペンスで最初から最後まで飽きさせずに見せ切る。
ただ、母親が探偵役に徹しているため、
多くの苦難には出会うが、
キャラクターとして、変化、成長していないのが、残念。
さらに、物語をミスリードするための余分なエピソードとキャラクターが存在するのも残念。
水道料金の高さの謎解きだけに絞り込んで、
あと10分短かったら、もっととんでもなく面白い作品になった気がする。