キアロスタミが目出度くパルムドールを受賞した作品。
キアロスタミの映画って何故車内の映像をただ撮っているだけでもここまで魅力的に見えるのか不思議に思う。(インタビューのような問答の際に風景が流れて見えるのが面白いからだろうか)
車内だけじゃなく車を捉えたロングショット等様々な角度から車を映していて、以前からそんな傾向にあったけど車についての映画という側面が一層強まっていた作品だった。
映っているものを味わうように眺めないと良さに気づけない(だから最初見たときはそこまで良いと思えなかった)ニッチな作品ながら、何とも形容し難い不思議な魅力が秘められており、そんな映画を低予算ながら作ってしまうキアロスタミのセンスに感服せざるを得ない。
(しかしこの映画にパルムドールを与えたのは中々大胆な選択だったと思うし、他の年なら審査員が無視してもおかしくなかった)