TakahisaHarada

健康って何?のTakahisaHaradaのレビュー・感想・評価

健康って何?(2017年製作の映画)
3.8
肉、魚、乳製品と糖尿病、ガンといった病気の関連性に触れつつ、最後にはヴィーガンのメリットを訴えるようなドキュメンタリー作品。
製作総指揮・プロデューサーとして関わってるホアキン・フェニックスもヴィーガンらしい。

自分自身、肉、魚、乳製品は人よりたぶん多く食べてて、加工肉だけは意識的に避けてるぐらいの食生活。
作中で触れられてる内容(肉、乳製品の体への影響、魚の汚染、菜食中心のメリット)は参考にしてる堀江先生とか、最近目にする研究と合致する内容だったので、自分の食生活を見直してみようかなと考えるきっかけにはなった。
https://twitter.com/toshiyukihorie?s=21

WHOの研究で加工肉の発ガン性レベルがタバコ、アスベスト、プルトニウム等と同レベルと発表されたのを表現するのに子供たちの皿にタバコを盛り付ける映像が出てきたり、魚を「水銀のスポンジ」と表現してたり、映像ならではのやり方も使いつつ恐怖訴求してるのが印象に残った。

ガン協会や糖尿病協会の、国民の健康よりもスポンサー企業への目配せを優先する姿勢(出資してもらってる以上、病気に悪影響を及ぼす食材であってもネガキャンできない)、病気の根絶がゴールではないという矛盾(製薬業界からの出資、予防には力を割かない)という内容も頷けた。
プロテインスコアという指標が色んな食品の生産団体に歪められた経緯を見れば、病気との関連性というよりセンシティブなテーマではもっと政治的な力が強く働くんだろうなと思う。
こういう形で正しい情報が表に出なかったり、健康のためにリテラシーが要求されたりする状態がまともだとは思えないので、本作のような作品にも意味があると感じた。

他にも、チーズを食べると体内で生成されるカソモルフィンはモルヒネのような成分で、ヘロインほど強力ではないが中毒性があるとか、幼少期の乳製品摂取と1型糖尿病の関係とかも興味深かった。
人間の母乳はどんな動物よりもタンパク質含有量が少ないとか、解剖学的に見たら人間は果食動物、みたいなアプローチでヴィーガンの妥当性を検証してるところも面白かった。

もちろん発ガン性がすべてではなくて、「ガンぐらいでしか死なない」健康長寿ということも考えられるし、ヴィーガンのデメリットも少なからずあるはずなので、そこは自分で知識を得るしかないなとは思った。
後半、「旬の食材を中心に買えば食費は高騰しない」みたいな具体的なアドバイスが出てきたりとか、元NFL選手とか色んなアスリートが出てきて筋力向上、パフォーマンス向上をアピールしたりとか、参考にはなる内容だったけど途中からさすがにヴィーガン持ち上げすぎじゃない?と思ってしまった。あと個人的に色んなアスリートが出てきた中で2番目がニンジャ・ウォリアー挑戦者だったことに驚いた笑(向こうで人気だと聞いてたけどほんとっぽい、少なくとも市民権はあるんだなあという感じ)