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ハンターキラー 潜航せよのおーたむのレビュー・感想・評価

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)
4.0
特に需要があるわけでもないのに続けてきた邦画縛りにもさすがに飽きてきたので、洋画のレンタルランキングの中から、気になってた本作をピックアップ。
私自身、初めて見た潜水艦映画だったこともあり、新鮮に楽しませてもらいました。

ロシアの潜水艦を追尾していた僚艦が撃沈したらしいとの報を受け、その調査に向かう米国潜水艦の艦長が主人公。
序盤は、僚艦および僚艦が追尾していたロシア艦に何が起こったかさっぱりわからず、どういうスタンスで見ていいのか戸惑いますが、手がかりはポツポツと置かれているので、興味が引き付けられます。
潜水艦の任務と平行して、海軍の特殊部隊にも特殊任務が言い渡され、二方向から徐々に事の全容が明らかになっていく展開は、手堅く面白かったです。
ただ、全容が判明して以降は、悪い意味でエモーショナルな展開が散見されるようになり、テンションは減退していきます。
よりにもよって、“ロシアの大統領”が飼い犬に手をかまれる、という展開も、説得力を欠いているように感じましたし。
本作はアクションスリラーですが、スリラーとしての側面だけ見たときにはやや凡庸な作品にも見え、したがって、完璧な作品とは思いませんでした。

ただ、一方で、アクションの部分は最初から最後まで面白く、作品を牽引するだけの魅力を備えていたと思います。
満載のCG感は微妙でしたが、「敵を直接視認することができない海中での戦闘」は、私にとってはとても新鮮でした。
艦が岩やら何やらと接触する音はおろか、艦内でレンチを落とす音すら命取りになる…という海中のシビアさが、見ててしっかり伝わってきます。
深海での静寂の時間が作品に緩急をつけているので、一本調子になってなかったし、上手く緊張感も演出されていましたし。
潜水艦ものは初見でしたが、潜水艦ものの良さは感じられました。
やや後半が甘いと感じたストーリーの部分までひっくるめて考えても、まずまず楽しいエンタメだったと思います。
個人的に、ひさびさに見る洋画だったので、手軽く手堅くと考えていましたが、その期待には応えてもらえたかな。

ところで、新任の艦長にも親切だった黒人の副長補佐、どこかで見たなと思って調べてみたら、おお、なんと「インターステラー」のロミリーじゃないですか。
私、ロミリーはお気に入りのキャラクターだったので、妙なところでテンション上がってしまいました。
こういう、意外なところで意外な演者さんに再会できるというのも、映画鑑賞の醍醐味の一つですね。
デヴィッド・ジャーシーさんか。
覚えとこう。
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