九月

トップガン マーヴェリックの九月のレビュー・感想・評価

5.0
もうすでに二回観たけれど、本当に良かった。トップガンに思い入れはなく、トム・クルーズが出演している映画を観るのもこれが初めてだったけど、終始圧倒されっぱなし。最高の映画体験だった。

オープニングでいきなりあの曲が流れ始め、航空機を見送る人たちのかっこよさに胸が熱くなる。ひとりひとりがとても生き生きとしていて、あんな世界に強く憧れる。始まってすぐのこのシーンがピークなのではないか、というくらい印象的だった。
冒頭で一気にボルテージが高まり、この先まだまだ続くのに大丈夫かな?と少し心配したのも杞憂で、その後しっかりストーリーを噛み締めながら、脳裏に焼き付く情景、手に汗握る空中戦、まるでミュージックビデオのような洗練された映像と音楽、古き良き時代や映画への郷愁…など、ありとあらゆるものが詰まっていて、泣いたり笑ったりしながら楽しんだ。

80年代が舞台の映画は好きで、あの時代のカルチャーやファッション、音楽などにとても憧れるのだけれど、80年代に作られた映画から受け取る価値観や感覚は苦手なことが多い。
『トップガン マーヴェリック』からは古き良き時代の雰囲気や懐かしさを感じながらも、現代の映画として観られたことに感動。
主人公や映画が過去の遺物として扱われるところも、それを覆すくらいの力を強く感じるところも、どちらもとても好き。
嫌いなキャラクターがひとりもいないところも良かった。敵の存在が曖昧なところも、私は好き。

このような映画を映画館で観られたことが本当に幸せで、奇跡のように思える。
(当初の公開予定の時には、今みたいに映画を観たり足繁く映画館に通ったりはしていなかったので、このタイミングで公開してくれて心底良かった。でもそれも巡り合わせなのかもしれない。)

F-14で生還するシーンで再び、冒頭に感じた裏方で働く人たちのかっこよさを感じられたのも良かった。空母での離発着のシーンが忘れられない。
九月

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