あるバナナ

トップガン マーヴェリックのあるバナナのレビュー・感想・評価

5.0
最高の映画だった。

妻も子どももいない。
過去の栄光はあれど、今の組織からは評価されていない。
人生の後悔はある。
そんな状態のマーヴェリック。

そんな彼が最終的に、
愛する人を得て、
相棒とも息子とも言える戦友を得て、
組織からも再評価される。

彼は自分らしさを失わず、彼の人生を復活させた。
これは、同じような苦しみや孤独を抱えている一作目世代の観客たちにも大きな希望を与えてたはずだ。

しかもこれが、シンプルで分かりやすく、かつ非常に達成困難な目的(爆撃作戦)への道筋の中でスムーズに描かれている。

これは非常に高度なことだと思う。

爆撃作戦の困難さは、大迫力と臨場感を持って描かれる航空描写で誰でも直感的に理解できる。
なので、マーヴェリック世代じゃない若者もスムーズに物語に興味を持てる。

マーヴェリックの前作からこれまでの経歴をしつこく描写しないことや、ターゲットとなる敵国にライバルキャラを置くみたいな展開を描かないなどの工夫も、観やすさにつながっている印象。

そして何よりも、大迫力の空中戦。これが本作を唯一無二の作品にしている。
こんな映像が観られる作品は他にない。
もちろん、『ダンケルク』を始めとして、空中戦を描いている作品は他にもある。
しかし、個人的な印象では、空中を飛ぶ二機の飛行機のうち、どちらが味方でどちらが敵か分かりづらい作品が多かった。本作はその点でも分かりやすく、ストレスなしに戦闘映像を楽しむことができた。

本当に映画館で観て良かったと思えた作品。監督とスタッフ、そしてキャストに圧倒的感謝!
あるバナナ

あるバナナ