n0701

トップガン マーヴェリックのn0701のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

誰も死なないし、作戦も大成功。
犬猿の仲だったかつての親友の子どもとは仲直りし、古い友とも再会する。とにかく、サクセスサクセス&サクセスストーリーだ。

物語は濃縮ウランを軍事転用出来る施設を作り、実際に核兵器の作成に着手したという情報からその施設及び兵器の爆撃を行うという「THE世界の警察」的な任務から始まる。

この極秘かつ絶対にミスの許されない任務に就いたのはマーヴェリックだ。しかし、実戦部隊ではなく、海兵隊の戦闘機集団である「トップガン」を卒業した優秀な兵士たちを教える立場として招集される。

だが、この作戦には相当な無理が必要だった。
一つは、300フィートまで高度を下げた状態で、山脈を滑空し、奇跡的な爆撃を2発ストライクさせ、背面飛行した後に10Gもの負荷を抱えた状態で飛び交うミサイルを迎撃し、敵機の攻撃を交わして逃げ切るというもの。

学校で習ったことで自らを優秀だと勘違いしている海兵たちには到底出来ない芸当であった。
事実、マーヴェリックが仮想敵とした訓練では誰一人として生きて帰ることは出来ず、マーヴェリックを撃墜できたものは誰もいないという体たらくぷり。

それもこれも「戦争は無人機で行ったほうがリスクとコストも少なくて済む」という笑えない発想から来るものだ。トップガンに所属していた海兵隊たちは、5000フィート上空から地上に爆撃する訓練しか受けていなかったのだ。

この状態から3週間で作戦を成功させる?
土台無理な話だが、さらに悪いことに核開発の速度が早まる。そのため、3週間よりも短い期間で作戦を成功させなければならなくなったのだ。

ある訓練の時、本番さながらにテスト飛行する訓練生に、敵機に見立てたマーヴェリックが出てきて訓練生を襲撃する。本番の戦闘なら当然にあることだ。しかし、その結果一人の隊員が身体にかかるGに耐え切れず気絶し、命からがら助かるものの戦闘機を一つ破壊してしまう。

その失敗に激怒した現場指揮官は、マーヴェリックをクビにする。そのうえで、安全で間違いないプランを提示する。しかしそれでは敵のレーダーにも引っかかり、敵機も振り切れないという最低のプランだった。

マーヴェリックは自ら自分のプランが成功できるプランであることを証明するため、クビにされた後に一人で戦闘機に乗り込む。
爆撃を成功させ、2分半のノルマを超えて成功するマーヴェリック。その結果、彼は復職し、指揮官ではなく、実際に機体に乗り込み戦闘へ向かうことになる。

さて、本番。
爆撃及び敵の隠れ家に壊滅的なダメージを与えることができたが、迎撃ミサイルと敵機が打ち込んできたミサイルを防ぎきれず、一機が被弾しそうになる。
そのギリギリの場面でマーヴェリックのフレアが敵の爆撃を防ぎ、着弾は避けることができる。しかし、無茶な体制となったマーヴェリックの機体にミサイルが衝突し、彼の消息は途絶える。

本船は当然、全員帰還の命令を出すも、救出された一機がマーヴェリックの救出に向かう。しかし不幸にも撃墜され、マーヴェリックと二人で敵地に残されることとなる。

マーヴェリックは敵地に残る敵の旧型の戦闘機に乗り込み脱出を試みる。

脱出には成功したものの、マーヴェリックの機体は敵機に襲われ命からがら母船に戻る事ができた、という話となる。



いくらなんでも敵地に乗り込み、敵機を操り、最新鋭の戦闘機を2機撃墜し(しかも最後に本当にギリギリのところで助けられ)生き残るというはだいぶ無理がある。というか、冷める。
それまでいい戦闘シーンや現代への皮肉やアンチテーゼで良かったのに、最後の最後でぶち壊し感が強かった。
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