来夢

さよならの朝に約束の花をかざろうの来夢のレビュー・感想・評価

4.3
『さよならの朝に約束の花をかざろう』
ひさびさにアニメ映画。
「とらドラ!」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」と長井龍雪監督作品でエグい・・・・・・もとい、泣ける作品の脚本やシリーズ構成を担当してきた岡田麿里の初監督作品。評価されてる脚本家が、監督が変わったとたん残念な作品を作ってしまうことは珍しくないのだけれど、何の心配もなかった。つまり、泣きました。お涙ちょうだい的な作品がどうにも受け入れられない体質だけれど、この人の作品は表面的なストーリーで泣かせるのではなく、内面的な感情の蓄積をいいタイミングで解放させることでブワっとくるので堪えられないっす。ダムですね。泣きます。最初は少女趣味な可愛らしい感じで肌に合わないかもと思ったけれど、それも最初だけ。人と人の繋がりを形成するのには痛みを伴い、その克服を経て到達する場所を物語の到達地点としているのはこれまでの作品同様。今回は何十年という時の流れをほんの2時間の尺に纏めているけれど、ストーリー進行に対する音楽の使い方と徹底した無駄の排除の組み合わせで、勇み足にならず、しっかり時間の重みを保ったまま話が進んでいき、ある種の感動を覚えた。親と子の成長という意味では、細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」にも近いような気がします。命を感じて泣きたい人。君の名は。じゃあ泣けませんって人にお勧めしたい。
長井龍雪監督がやりそうな演出がみられて影響受けてるっぽいなと思ったら演出に名前がありました。
来夢

来夢