きー

ヴィクトリア女王 最期の秘密のきーのレビュー・感想・評価

3.5
正直あまり世界史を知らなくてもストーリーはわかると思います。「当時大英帝国の国際情勢が〜」ということに重きを置いてるわけではなく、あくまで「ヴィクトリア女王とインド人アブドゥル」に焦点を当てているかんじ。勿論ある程度の時代背景を知っていたほうがわかりやすいけど、基本的にはモノローグで把握できる。なので歴史的意義とか新たなアプローチとか、そういう類の作品でないんだと思います。

となると話は結構シンプルで、よくある「孤高の権力者」と「突如現れた理解者」(『最強のふたり』みたいな)。使い古されたシチュエーションといえばそれまでだけど、それを英国王室という舞台ならではの人間ドラマとして楽しめたのは監督の手腕によるところでしょう。そして何よりジュディ・デンチの演技力に脱帽です。脚のおぼつかないおばあちゃんから威厳のある女王陛下まで、1人の役者さんがあそこまで演じきれるのかと本当に驚いた。アブドゥルの純粋で無邪気な表情とか、2人のやりとりをずっと見ていたいなって思えてくる作品です。

完全に「おばあちゃんと孫」、だがそれがいい!
きー

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