ドキュメンタリーかと思わせるほどの、リアリティ。
彼女たちなりの幸せで愛のある営みの中で、それでも教育や食生活など、無自覚に無邪気に破滅的な日々が進行していく。
それを、悲劇的ではなく淡々と描いていて、他人事みたいな空の青さが印象的だった。
はじめ、他人目線から見える子どもたちは、うるさくて憎たらしくて鬱陶しいのに、映画が進むにつれてだんだん親のような目線で見るようになると、かわいくて愛おしくてたまらなくなってくる。
子どもたちだけの時間の描き方も秀逸。彼らにしか見えない世界があり、そのなかでは彼らは子どもというより、ひとりの主人公としてのオトナだ。
ムーニーがひとりでお風呂に入っているシーンの、恐ろしい演出。だからひとりだし、だから長いし、だから大音量で音楽がかかっている。
あんなに小さな子どもでも、親が何をしているのかは、だいたい理解している。してしまっている。
モーテルの管理人役のウィレム・デフォーが、めっちゃイイ。