hikarouch

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のhikarouchのレビュー・感想・評価

3.7
ドキュメンタリーかと思わせるほどの、リアリティ。

彼女たちなりの幸せで愛のある営みの中で、それでも教育や食生活など、無自覚に無邪気に破滅的な日々が進行していく。
それを、悲劇的ではなく淡々と描いていて、他人事みたいな空の青さが印象的だった。

はじめ、他人目線から見える子どもたちは、うるさくて憎たらしくて鬱陶しいのに、映画が進むにつれてだんだん親のような目線で見るようになると、かわいくて愛おしくてたまらなくなってくる。

子どもたちだけの時間の描き方も秀逸。彼らにしか見えない世界があり、そのなかでは彼らは子どもというより、ひとりの主人公としてのオトナだ。

ムーニーがひとりでお風呂に入っているシーンの、恐ろしい演出。だからひとりだし、だから長いし、だから大音量で音楽がかかっている。
あんなに小さな子どもでも、親が何をしているのかは、だいたい理解している。してしまっている。

モーテルの管理人役のウィレム・デフォーが、めっちゃイイ。
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