コーディー

マーウェンのコーディーのレビュー・感想・評価

マーウェン(2018年製作の映画)
3.8
心ない暴力により記憶を失いPTSDを患ったマークが自宅にジオラマを制作し架空の町マーウェンでドール達に心を宿す。過酷な現実からの逃避であると同時にそれは彼の現実そのもの。今一度人生を取り戻したいという切実な想い、決して拭えない痛みを相手に今日も彼は町を守る。良い映画!

分身であるホーギー大尉と彼を護衛する勇ましき女性たち。大戦下のベルギーを舞台に倒せない敵として登場するのはナチス。玩具屋で新たな住人を購入しては町に迎え入れ夜な夜なバーで談笑する。そんなマークの内へ内へと膨らむ想像力だが赤毛女性との出会いが彼の心とマーウェンの戦いに転機をもたらす。

現実から自然に移行していくドールパート。息を吹き込むマークの想いを余すことなく宿すゼメキスの業。洗練と素朴を併せ持った味わい深い映像に妙な癒しを感じた。そして監督ならではな展開にもニヤリw
これを機に実際のマークを追ったドキュメンタリー映画も〝マーウェンコル〟もチラッと観たけどゼメキス監督の粋な誇張も良いねw