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ビール・ストリートの恋人たちのkaitoのレビュー・感想・評価

4.6
久しぶりに人の温かさを感じられる映画を観た。
途中からネタバレあり!

「ビールストリートの恋人たち」
最近、ノミネート作品を立て続けに観ているわけだがビールストリートの恋人たちを見て、すごく感動してしまった。今年、初泣きはビールストリート。黒人に対する差別は、すごく悲しい話だが今も行われている事実。そんな事実がある世界で暮らすカップルの話。理不尽に突っかかってくる白人をみて、すごく胸が痛くなることもあったんだけど、優しく接してくれる白人もいたりして、人の温かさも感じることのできる映画だった。
第三者としてはどうでもいい会話はもちろんあったものの、ファニーとダニエルの会話の中身はもちろん、話してる雰囲気からほんとに仲の良さが感じられたし、そういったキャラ作りがすごくよかった。ファニー方の母親も、宗教信仰心が強くめんどくさい過程と付き合っていかなければならないという事実。色々辛い中でも、ティッシュにとってファニーがいればなんでもいい。でもそんな彼は手の届かない獄中にいる。そんな事実があるからこそ、流れてくる回想シーンが身にしみる。若干、「ムーンライト」の方が繊細さを感じられたものの、この映画ももちろん繊細であり上品であった。素晴らしい映画だった。
以下ネタバレあり














こっからネタバレありです。
ファニーが捕まった理由が、レイプ疑惑。たまたまタイミングといた場所が悪く、白人警官に捕まってしまう、理不尽に。肌が黒いからという見た目だけで判断されるそんな現実世界を見事に皮肉っているメッセージ性。映画の中で、ティッシュがこちらを見つめるシーンが何度かある。こんな世界の中で暮らしているのだと訴えかけるかのように。
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